週末の洗濯物が山のようになっている日曜の朝、我が家のドラム式洗濯機は突然のストライキを起こしました。島本町には交換した排水口を漏水修理してもディスプレイには「C02」のエラー表示。水に浸かったままの洗濯物を人質に、うんともすんとも言わなくなったのです。ネットで調べ、糸くずフィルターの掃除や排水口の確認など、素人ができることは全て試しましたが、状況は一向に改善しません。万策尽きた私は、ついに白旗を揚げ、メーカーのサポートセンターに修理を依頼することにしました。しかし、電話を握りしめる私の頭の中は「修理代は一体いくらかかるのだろう」という、現実的な恐怖でいっぱいでした。 電話口のオペレーターに状況を説明すると、翌日の午後にサービスマンが来てくれることになりました。その際、まず伝えられたのが「出張費」の存在です。修理を行うかどうかにかかわらず、技術者が家に来るだけで、おおよそ3,000円から5,000円程度の費用が発生するというのです。これは、いわばプロを診断に呼ぶための「診察料」のようなもの。この時点で、私のサイフから最低でも数千円が消えることが確定しました。 翌日、時間通りに到着したサービスマンは、手慣れた様子で状況を確認し、すぐに作業に取り掛かりました。私がすでに行ったフィルターや排水口のチェックを再度行い、異常がないことを確認すると、おもむろにドライバーを手にし、洗濯機の背面パネルを外し始めました。プロの領域に踏み込んだ瞬間です。彼の診断は、洗濯機の心臓部の一つである「排水ポンプ」の異常でした。私が耳を澄ませても聞こえなかった、あの「ウィーン」という排水音。それが聞こえないのは、ポンプ自体が寿命を迎えたか、あるいは異物が噛み込んで動けなくなっているかのどちらかだというのです。 ポンプを取り外してみると、原因はすぐに判明しました。ポンプの羽根の部分に、いつの間にかポケットから紛れ込んだであろう、子供の小さな髪飾りの金属パーツががっちりと挟まっていたのです。これがモーターの回転を物理的に妨げ、排水エラーを引き起こしていたのでした。不幸中の幸いか、モーター自体は焼き付いておらず、異物を取り除くだけでポンプは再び正常に機能するとのこと。もしポンプ一式を交換するとなれば、部品代だけで1万円以上はかかっただろうと聞き、私は胸をなでおろしました。 異物の除去と内部の簡単な清掃、そして再度の組み立てと動作確認。全ての作業は、到着から1時間足らずで完了しました。そして、いよいよ提示された請求書。その内訳は、まず基本となる「出張費」が約4,000円。次に行った作業に対する「技術料(修理費)」が約10,000円。部品交換はなかったため、部品代は0円。消費税が加わり、合計で約15,000円という金額でした。正直、痛い出費ではありましたが、最悪の事態(ポンプ交換や基板交換で数万円コース)を想定していただけに、どこか安堵している自分もいました。 この経験から得た教訓は、まず、洗濯前のポケットチェックという基本がいかに重要かということ。そして、自分で解決できない問題に直面したとき、プロの技術には相応の対価が必要であるということです。出張費や技術料は決して安くはありませんが、それは確かな知識と経験、そして専用の工具で、私たちの手に負えない問題を迅速に解決してくれることへの正当な報酬なのです。もし、あなたの家の洗濯機が手に負えない反乱を起こしたなら、今回の私のケースが、修理代を覚悟する上での一つの目安となれば幸いです。
【実録】ドラム式洗濯機修理代はいくら?排水エラーで業者を呼んだ結果