近年の自動車に多く採用されているキーレスエントリーシステム(スマートキー、インテリジェントキーなどとも呼ばれます)は、鍵を差し込まずにドアの解錠・施錠やエンジンの始動ができる便利な機能です。しかし、このキーレスの電池が切れてしまうと、ドアが開けられない、エンジンがかからないといったトラブルに見舞われることがあります。今回は、そんなキーレスの電池切れに遭遇した際の対処法と、日頃からできる対策について解説します。まず、キーレスの電池が切れた場合のエンジンの始動方法ですが、これは多くの車種で共通の手順があります。多くの場合、キーレス本体に内蔵されているメカニカルキー(非常用の鍵)を取り出して使用します。メカニカルキーの取り出し方は、キーレス本体にあるレバーやボタンを操作することで、簡単に引き抜くことができます。次に、このメカニカルキーを使ってドアを解錠します。鍵穴は、運転席側のドアノブ付近に隠されていることが多いです。カバーを取り外すと鍵穴が現れますので、そこにメカニカルキーを差し込んで回せば解錠できます。ドアを開けたら、次はエンジンの始動です。キーレスの電池が切れている状態では、通常通りプッシュスタートボタンを押してもエンジンはかかりません。この場合、多くの車種では、ブレーキペダルを踏みながら、プッシュスタートボタンにキーレス本体を接触させる、あるいは特定の場所にキーレス本体を近づけることで、エンジンを始動することができます。具体的な操作方法は車種によって異なるため、取扱説明書を確認することが重要です。例えば、トヨタ車の場合は、ブレーキペダルを踏みながら、プッシュスタートボタンにキーレスのトヨタマーク側を接触させます。日産車の場合は、ブレーキペダルを踏みながら、プッシュスタートボタンにキーレスを近づけると、メーター内の表示が変わり、その後、通常通りプッシュスタートボタンを押してエンジンを始動できます。ホンダ車では、ブレーキペダルを踏みながら、キーレスのエンブレム側をエンジンスイッチに接触させます。これらの操作を行ってもエンジンがかからない場合は、キーレス本体の故障や、車両側のシステムに問題が発生している可能性があります。その場合は、ロードサービスやディーラーに連絡して、専門家による点検を受けることをお勧めします。